お金を稼ぐ

10年間経営したカフェを閉店した話

ずっと長い間、家計がトントンかちょいマイナスだった私が、色々知ってほんの少しの行動をしただけで、家計を毎月ちょいプラスにする事ができた具体的なノウハウを紹介しています。

私が家計改善に取り組んだ具体的な内容はコチラにまとめて記載しています。
 → 目指せ★毎月ちょっとプラスな生活

これから飲食店を始めようと思っている人や、現在飲食店や自営でお店をされていて色んな理由で閉店・廃業を検討されている方に役立つ内容だと思います。 少し長くなると思いますがぜひ最後まで読んでいってください。

それでは今日の内容です。

もくじ

1 そこそこ流行った飲食店・でも経営はめっちゃキビしかった

2 身を以て感じた・飲食店の経営はどんどんキビしさが加速している

3 もはやこれまで・閉店 廃業を決意したきっかけ

4 でも後悔はしていない・お店をやめて本当によかったと思う理由

5 エピローグ・最後に残ったのはお客さんとの思い出だけだった 

  

そこそこ流行った飲食店・でも経営はめっちゃキビしかった

2005年個人で独立してカフェをオープン。人生でひとつの大きな夢を叶えました。

みなさんは別に私のヒストリーにはあまり興味がないと思うので、その部分について熱く語るの割愛・自重していくスタイルで進めていきます。(※お金についてがテーマなので)

まずは結論飲食店をはじめてみて経営がよかったのは最初の3年。
当時、社会的にカフェブームというのがあり、わざわざ車を走らせて郊外のカフェを巡るなんて今では考えられないトレンドだったんです。カフェの雑誌もたくさんあったし、ネットのグルメサイトも成長期で特に知恵を絞らなくても新規のお客さんが来てくれて、運良くリピートしてくれたりして、どんどん盛り上がってるのが実感できました。 

「あ、もう人生 勝ったかも。」 

なんて思ったりもしましたが、2008年のリーマンショック → 2011年の東日本大震災 → 2013年のドコモでiphoneの取扱開始など、時代は流れに流れて変化していくもので、自分ではどうしようもない大きな流れが濁流となり、時代の波に飲み込まれ疲弊していくのでした。

2008年、2011年の出来事が経済にマイナスなのはわかるけど、2013年のiphoneの普及は意味不明でしょ? いいえ、色んなモノや事業がスマホに取り込まれて衰退していってます。飲食店もでした。

そんなこんなで、2015年12月 10年間経営していたカフェを閉店。 
詳細はコチラ ↓

  

身を以て感じた・飲食店の経営はどんどんキビしさが加速している

現在私は10年間経営した飲食店に見切りをつけて食品製造業の事業所で会社員として勤務してもう6年になりました。

会社に勤めていると個人事業主の時のように、がんばったら↑がんばった分だけ、とはいかず、どっちかっていうと自分なりに一生懸命頑張っても、自分が思うほどは評価されない事の方が多いんですが、でもその反面、社会情勢や会社の売上が悪化しても、よほどでなければちゃんと給料も休日も貰える、「会社に守られている安心感」は生活防衛資金を確保する段階の自分にとってはとてもありがたい存在です。

自営業から会社に勤めだしてから、「やっぱり飲食店を続けておけばよかったなー。」と思った日は1日たりともないんですよね。閉店するのはとても大きな決断だったけど、あの時の自分の判断は本当にナイスだったなとつくづく思います。

もうすでにこの1年間はコロナウイルスの蔓延で飲食業は壊滅的な状況ですし、それ以前についても、大きな台風が立て続けに襲来したり、大規模な水害など毎年のように、「10年に一度の大災害」がやってきては世の中の人達を不安にさせ続けています。

それとは別に、自分なりに飲食店の経営がどんどんキビしくなっているなと思う一番の理由は、自分が料理をはじめた25年前とくらべて、圧倒的に手軽で美味しい料理がいつでもどこでも簡単に手に入るようになった事です。

自分もよく利用してますが、

・ ファミリーレストランや大手チェーン店の料理やサービスが昔と比べてすごく良くなった。

・ スーパーで買える、冷凍食品がおいしくなった。お惣菜もおいしくなった。

・ 特にコンビニのスイーツ、本当においしくて幸せになれる。価格と味でほんとにすごいと思う。

それと別で、インターネットが便利になって、

・ お店に行かなくても、長年修行しなくても本格的な料理がネットで調べて自分で作れるようになった。

・ 興味のあるお店があってもグーグルで料理や外観の写真をみて口コミを読めば、だいたい満足できて、お店にわざわざいくのはほんとにまれw。

  とかね。

こんな感じで大昔とだいぶ変わりました。
ファミレスなんて昔はあんまりおいしくなくて、冷凍食品 全開で鼻で笑ってたぐらいだったのに、最近はほんとにおいしくなりました。

そもそも、こだわりのある個人店とフェミレスやコンビニめしなんて、まったくの別ジャンルで勝負にすらならないと思っていたのですが、いつもまにか味と価格で拮抗するようになり、今や立場逆転!?

きっとその業界の方々が日進月歩の努力で研究に研究を重ね、「世の中の美味しい」という事をトライ&エラーを重ねながらひとつづつ分析し正解を導きだしていったのだと思います。本当にすごいです。 トレンドや流行りを取り入れるアンテナもすごいし、今やコンビニ発のトレンドアイテムもよく見かけるようになりました。

なんで、このクオリティーをこの価格で作れるの!? っていつも驚くのですけど、そりゃぁ全国に店舗があって休日のちょうどお腹が空く時間帯にTVCMが流れたり、何とかPAYのキャンペーンがやってたり、売り方の次元が違うし、薄利多売の掛け算の商売ができるのでやっぱり強い。そしてその仕組みが分かったからって、マネするのはムリですから、やっぱりすごい。

今後はさらに「美味しい料理が作れる天才カリスマ料理人」のような個人の時代ではなくて、全体をチームで作り上げていく「デキる人達のプロフェッショナル集団」の時代にもっともっと変わっていくんじゃないかとも思っています。 ※自分みたいな協調性のない人間にとってはキビシイ時代になってきています。(笑)

他にも冷凍技術の進歩、工場で90%仕上げて最終工程をお店で仕上げるようなオペレーションの確立など、さまざまな新しい技術革新があったのだと思います。 ※指示された内容通りに作業を進めるのが苦手な自分にはキビシイ時代になっています(笑)

個人とは資金力もぜんぜん違いますし、まるでアリ(カリスマ)と巨人ですよね。
う〜ん、キビシイ

  
もはやこれまで・閉店 廃業を決意したきっかけ

「あ、もうむりだわ。」


もうすぐ10周年を控えた、ある日の事。 あきらかに心が折れた瞬間がありました。

飲食店を経営されている方が廃業を決意されるきっかけは大きく2つあるそうで、
1つ目は、心が折れた瞬間。 ←私の場合はこっち。
2つ目は、体が壊れた瞬間。 なのだそうです。

以外にもお金が尽きたら。ではないようです。

私の場合、金銭的には恵まれていた方で、収支的にはずっと変化なく、毎月トントンか、ちょいマイナスが続いていました。 世間一般では、こんな厳しい情勢の中で「10年間生き残った勝ち組のお店」になるのかもしれませんが、現実はキビしく

・ どっちかっていうと成功して、これかよ・・・。

・ 自分の思い描いていた、成功者とのギャップ

・ 何か、ちがうな

そんな想いが毎日ぐるぐるしていました。
10年続いた勝ち組のお店でも、ほとんど儲けがないお店がほとんど。だそうで。。。
(※ 自分のお店もそのパターンでした。)

続いて、2013年にも壊滅的な出来事が起きました。
ソフトバンクに続いて、NTT Docomoでのiphoneの取り扱い開始です。

シェアNo.1のドコモのこの発表で日本のスマートフォン普及率が一気に上昇、それと同時に無料で使えるLINEとかいうアプリを使っていつでもみんな繋がっていられるようになり、当店は多大なる被害を被りました。

■スマホ・LINEの普及による当店への被害

 いつでもお友達と連絡が取れる
      ↓
 いつでもグループチャットで(無料で)愚痴大会
      ↓
 結果:カフェに定期的に集まる必要なし!

もう、お客さん激減ですよ!

 

そうやって、少しづつヒマな時間が増えてきて、スタッフさんを入れず自分一人で調理や接客を担当する時間帯が出てくるようになりました。すると急な来客に対応しきれず、サービスの品質がどうしても下がってしまう事もおきてきまして。常連さんはそのあたり理解してくれて温かい目で見守ってくれるのですが、中には厳しい意見も出るようなってきてしまい。


ついにその日がやって来ました。

 

食べログに悪口を投稿される

「あーあのお客さんか。」と、すぐに分かりました。(自業自得)


でも、半分は事実で残りの半分は盛られた内容だったので、食べログの運営さんにメールしてすぐにそのレビューは削除された助かったのですが、スマホとSNSとインターネット発展は便利な反面、その弊害も同じぐらいに脅威です。

スマホの普及からの始まってグルメサイトが盛り上がってくるようになると、お昔だったら、通りすがりで見つけたお店が気になったら行って確かめるしかなかったんですけど、今は気になったお店はすぐにネスマホで調べて、実際に店に行かなくてもそのお店の雰囲気や料理を見て感じる事ができるようになったので、その上で行く価値アリ!と思えた場合にのみ、そのお店に行くっていう流れに変化していますから。。。

話は戻ってその後も、(おそらくその方が別のアカウントを作って計3回ぐらい)最悪なレビューを投稿される、削除依頼という事があったので、あの人も食べログの口コミを書くために来てるのかな・・・。とか過敏になり、

それ以降、はじめてのお客さんに接客するのが怖くなりました。

 

飲食店の場合、人気商売なのでしょうがない部分はあるのですが、やはりいかなる場合においても、「他人の目を気にしだすと、自分を見失う。」という事ですね。 もちろん自分に至らない点があり反省も改善もすべきところがたくさんあったのは事実です。

謝罪:せっかく当店まで足を運んでいただいたのにも関わらず、大変不快な思いをさせてしまい、本当に申し訳ございませんでした。

いや、でもまだこの時点では、私の心は折れていません。w

たしかに、この時点ですでに接客疲れは相当なモノだったと思いますが、日々色んな事があるけど、それでも前を向いてがんばっていこうと自分に言い聞かせつつ営業を続けていた・・・

とある午後の日、
ランチタイムのピークを過ぎた頃、ちょっとづつヒマになってきた私のお店はいつのまにか、最初のコンセプトから離れてしまって「どなたさまもウェルカム」なお店になっていたので、ちびっ子が戦いごっこをはじめ、その保護者さんは 会話に夢中で、

がっちゃん、ガッチャン!わーわー、きゃーきゃー

 

あれ・・・じぶんのやりたかったお店って・・・こんなだっけ・・・・?

 

いつものよくある風景だったんですが、これがいつものよくある風景になってしまっている事実を再確認して、

 

「あ、もうむりだわ。」

 

に至りました。
お店を開くまでに長い間、料理の修行をし準備に何年もかけ、自分なりに一生懸命 仕事に向き合った10年間。
最後に残ったのは「お客様との思い出」だけ。

いったい、自分のこれまでの時間は何だったのか。
何か意味はあったのか。 自問自答したのかどうかは、よく覚えていませんが、w

今思えば、お客さんの事を考えるよりも、自分のことばかりを考えて、自分の時間と家族の時間や生活を犠牲にして、それで得られる対価の少なさに憤りを感じ、結果日々のお金のことばかりを心配しなきゃいけない自分の人生が何とも陳腐に思えて嫌になったのが廃業の理由だったのかなと思います。

続けようと思えば創意工夫をして続ける事はできたでしょうけど、人生一度きりですから、やっぱり自分の好きなように生きたいですもんね。

  
でも後悔はしていない・お店をやめて本当によかったと思う理由

お店の閉店を決意して、近くの食品製造業の事業所でお世話になる事になりました。
お店によく来てくれていたお客さんで、いつもニコニコ楽しそうなご家族で、自分の家族もそうありたいと憧れる社長さんのところでしばらくの間お世話になりました。

■ 自営業者から会社員になってよかった点

 ・ 毎月決まった金額の給与所得がある

 ・ ボーナスもある

 ・ 家計のやりくりが計画できるようになった。

 ・ 仕事着や備品など仕事で必要な物が会社で買ってもらえる

 ・ 仕事が楽

 ・ 土日祝 正月・お盆休み とかまじか

 ・ 自営業の時と比べてうそみたいな穏やかな日々GET

とりあえず日々の生活費の心配がないのが、一番助かりました。
毎月、月末になると色んな経費の支払いにドキドキハラハラしていたのがうそみたいで、「あ、もう月末か。早いな。」ぐらいの感覚になり心が軽くなりました。
あと、接客のストレスから解放されたのも大きいです。

金銭面では毎月の収入が決まった金額あると、毎月の支出をそれ以下で抑える事ができれば、当然ですが、毎月お金が増えていきます。そういう計画ができるようになったのは本当にありがたかったです。
仕事に必要な物はほとんどが会社で買ってもらえるし、仕事も全部が全部自分で担当しなくていいので、楽になりました。

自分で飲食店を経営していた時とくらべて、何もかもがうそみたい。穏やかな日々です。

そんなこんなで、その後、現在に至るまで、
「あーやっぱりお店続けておけばよかったな。」
という日は、1日たりともありません。

  

エピローグ・最後に残ったのはお客さんとの思い出だけだった

まとめ

飲食店の経営は厳しいです。

とあるデータでは、飲食店の閉店率は、1年目で30%、2年目で50%、3年目で70%。10年目ともなると90%以上のお店が閉店しているという世界です。 店舗取得から什器備品を買い揃え、スタッフを雇い教育し、膨大な時間とけして安くはない初期投資とランニングコストがかかってきます。 自分自身の経験や業界の仲間から聞くリアルな話で、その多く場合売上のピークは3年目あたりで、その後売上が一度大きく落ち込んだ場合、ほとんどの場合でV時回復させる期待は限りなく少ないようです。

私の場合、良かった時もありましたし、お客様にも恵まれて自由で楽しい日々を10年間も過ごせたのは人生の宝物だと思える時間と経験でしたが、その間、金銭的にはギリギリで家族には余計な我慢をさせてしまったり、子供のお誕生日のプレゼントがどうしても買う事ができず、悔しい、悲しい思いをしました。 

せめて家族といっしょに過ごす時間だけは大切にしたいと思い、お金以外の幸せは全て手に入れる事ができましたが、やはり何をするにもお金が必要で、お金がなくてもできる事の選択肢は非常に限られてしまうのが現実です。

続けようと思えば、気合いで続けられたかもしれませんが、こんなに不安で辛い日々を耐える為に始めた自営業ではありませんでしたし、夢を叶えたその先の夢をもっと叶えていきたいと思いましたし。自分はこんなもんじゃないぞと・・・。

仕事選びというのは、自分の人生の目的を達成するための手段であり、目的ではありませんので、どうか自由な発想で自分の経験やスキルにとらわれず、自分の好きな事だけにもとらわれず、自分にとって大事なことを最優先に仕事選びをしていただけるといいのかなと思います。

この国日本は法整備が行き届き、セーフティーネットも充実しています。
一度きりの人生。 勇気を持って一歩先へ進んでいきましょう。

 

最後に

このサイト「やっぱりお金が好き」では、つい最近まで訳あって、毎月トントンか、ちょいマイナスな生活を長く続けてきてしまったこの私が、ここ最近ひょんな事から、毎月ちょっとプラスな生活にシフトする事ができたノウハウをブログに綴っています。

ゼロがプラスワンになった瞬間から世界が一変します。

そして、このサイトで紹介している情報が、みなさまにほんの少しでも役に立ったり、何かのヒントになったと思ってもらえたらすごく嬉しいです。


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それではまた明日もお会いしましょう。最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

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  • この記事を書いた人

ぷち

京都府京都市出身 滋賀県高島市在住。 最近の趣味は節約と貯金。これまで食を扱うビジネスをずっとやってきた食のスペシャリスト・元カフェオーナー、現在の職業は、会社員兼ブロガー兼Youtuber。アイコンの私が手に持っているのは手作りのゴム銃です(謎)。ほんの少しの気付きと行動で人生は変えられる。詳細な自己紹介は→こちら

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